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2017.12.27

2日目のカレーは美味い

2日目のカレーが美味いのは、野菜や肉から溶け出す「うま味」がルーの中に溶け出し、煮崩れした具材から「とろみ」を増すでんぷんや繊維質によってコクが生み出されているためみたいですが、そのまま鍋に入れた状態で放置してるとルーの中で食中毒の原因となるウエルシュ菌もすごい勢いで増殖してしまいます。先日、2日目のカレーを食べてお腹を壊した方が受診されたので、ここで原因と予防についてまとめておきましょう。

ウエルシュ菌はジャガイモ、ニンジン、魚、肉に付いている菌で作りたてのカレーでは熱により死滅状態にありますが、一部の菌は芽胞(殻に守られる)に変化して生き延びてます。カレーをそのまま常温で放置するとゆっくりと冷やされ、芽胞から菌へ変化して急速に増殖していきます(45℃で1時間で約64倍、2時間で約4000倍…8時間でなんと約280兆倍!)。この “ゆっくり冷やされ” が菌にとって増殖するいい条件で、少ない芽胞の状態ですぐに冷蔵保存することが肝心です。また菌は空気が嫌いで熱に弱い特徴を持ってますので、2日目以降の美味いカレーを安全に食するために、この3点の特徴を押さえて以下のようにすると良いでしょう。ちなみにカレー以外でもスープ、チャーシュー、肉団子、野菜の煮物などでも感染の報告があります。

①冷める前に素早くできるだけ空気に触れるように小分けにして冷蔵保存すること

②食べる前には空気に触れるようによくかき混ぜながら十分に煮込むこと

ブログを書きながら、子供の頃にCMを通して頭の中にすり込まれた「おせちもいいけどカレーもね」というフレーズを思い出しました(^^)     年中食べているカレーをお正月にも食べろというやや強引なやり方ですが、こんな内容を書いた手前おせちに飽きたらカレーですかね…そもそもおせちが出るかどうか….確か今回は出る予定です( ͡° ͜ʖ ͡°)

院長